こころにのこる本☆『人間の土地』 サン・テグジュペリ 西東社私は『星の王子様』で有名なサン・テグジュペリが郵便物を運ぶ職業飛行家だってことを知りませんでした。そして彼が、第2次大戦中に、飛行機で飛び立ったまま帰らなかったことも。これは、小説というよりドキュメンタリーに近いです。死と直面する経験をしたからこそ得たものがあり、彼の言葉は強い説得力を持っています。詩的な文章は、最初は読みにくいですが、なれると”名訳”であることがわかると思います。何度も読み返すことでその魅力が増す作品だと思います。 ☆『夏の庭』 湯本香樹実 新潮文庫 薄い本だけど、感動しました。おじいさんが死ぬところを見届けよう、という不純な動機で近所のおじいさんを観察しはじめた少年たちが、大人への第一歩を踏み出したある夏の物語。 「おれたち、あの世に知り合いがいるんだぜ!」という最後のセリフが印象的。 ☆『西の魔女が死んだ』 梨木香歩 新潮文庫 自分の足でしっかりと立って生きていくというのは大変なこと。おばあちゃんの死を通して、まいが学んだもの。 この本を、子どもの頃に読んでいたら、どんな感想を持ったかな。娘にぜひ、読ませてみたい本です。 ☆『失敗の本質』 戸部良一 中央公論新社 日本人は失敗から学ぶということが下手なようです。先の大戦で亡くなった方達の死が無駄にならないようにするにはどのようにすればいいのか。もっともっとこういうことを研究してほしいものです。 失敗を生かせない、という点では、旧日本軍の組織的欠陥は今の会社組織なんかにもそのままあてはまりそうです。 |